category archive | 思想

11.18

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「知るという言葉の正しい意味は、秩序や法則を見ることなどではなしに、むしろ混沌を見ることだったのだろうか。」
                                                  『第四間氷期』安部公房

混沌を見るということは勇気がいることだ。
知ろうとする態度と、知ってからの葛藤と克服、この闘いが美しさではないだろうか。

11.10

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「何かをするということは、存在を作り出すことだ。」
と、サルトルは言っている。
自分のトラウマや他者と向き合う手段として写真をやっている部分があるが、
実際出来上がる映像としての新しい世界と、写真行為自体に巻き込まれる人々の心の世界に、
確かに存在を作り出しているのかもしれない。
どんな行為も、有形無形関係なく新しい世界を作り出すのならば、
常に世界は広がり続けているのであって、どこにでも宇宙と同じ構造が存在し、
境界線は妄想でしかないのではと思うのである。
でも境界線は確かに存在する。
熱を感じるから。

見ると見られる

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見ているようで見られている。
見られているようで見ている。
カメラをかまえて景色を切り取って見ていると、カメラをかまえた人を見ているものがいる。
常に様々な次元の関係性の中で生きている私。
その関係性が大事なんだ。

殻の盾

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「私は密林の虎や熊や狐や狸のように、愛し、たわむれ、怖れ、逃げ、隠れ、息をひそめ、息を殺し、いのちを賭けて生きていたいと思った。」
坂口安吾の小説の一節だ。
理性で形成された殻を脱ぎ捨てられたら、どんな世界が広がるのだろう。
獣か?
今の世界では、脱ぎ捨てた殻で盾をつくって、必要なときに防御しないと、すぐにやられてしまうかもしれないな。

肯定と否定

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「道徳的人間の方が自然的人間よりもいっそう叡智的世界に近い、などということはない。
なぜなら叡智的世界などは存在しないからである。」
とニーチェは言っていた。
一つの肯定が生まれれば、一つの否定が生まれる。
そうやって世界はバランスをとっているように感じた。
叡智的世界を一段高い世界と解すると、やはりそんな世界は存在せず、
一人一人の「白」と「黒」のバランスと、世界の「白」と「黒」のバランスの、
相対的で流動的な変化の中に、生命の力強さを感じる。
世界をいっぺんに肯定などできるわけがなく、目の前のものを一つ一つ増やしていけばいいのではないか。
あくまで自分の心の中でですが。

社会不適合者

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社会不適合者とは、社会の要求に応えて生活することが困難な者。社会に適合できない人。うまくやっていけない人。らしい。
空気を読んで、うまくコミュニケーションをとることが社会の要求なのかな。
直接人の役に立つような場合は手応えを感じるが、社会の為にとか言われると、何か違和感を感じる。
社会は雲みたいなもので、ふわふわとして掴めません。

自分

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自分のことが一番わからない。
だから人に迷惑をかける。
でも、人にぶつからないと何も起こらない。
だからぶつかってみる。
摩耗して丸くなっていくのだろうか。
最終的には球体になるのだろうか。

善いこと悪いこと

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善いこと悪いことは、基本的に相対的にしか判断できないものではないか。
絶対的なものはあるような気がするが、この先も断言できないような気がする。
だから迷ってもがくのだろうが。
もがく。
人間っぽいですね。

曝け出す

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曝け出すって勇気がいりますよね。
自分を曝け出す。
私はまだまだ全然でして、このホームページをつくったのもそこが目的だったのに、かっこつけてしまっている。
最近、友人の写真家と飲みながら話していて、いろいろ気づかされたところです。
「解放」
です。いろいろ解放。あれもこれも。

写真を始めて

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私に写真という世界が広がり始めたのが9年前、会社を辞めようと思ったのと同時だった。
それまで写真が特に好きだったわけでもなく、写ルンですか小さなデジカメくらいしかいじったことがなかった。
それが突然、「写真をやろうと思う。」と、友人にメールしていた。
友人は、「いいと思う。」と速答してくれた。
あの時の高揚感は今でも覚えている。
レールから足が外れ、ふわふわと飛んでしまいそうだったが、カメラが地に足を着かせ、未知の写真の世界が私を動かし続けた。
そして写真はみることを要求し続けた。
みるという行為が多岐に渡り始めると、シナプスも様々な道を創り始め、忙しさを増した。
混雑し始めると、もつれだし、事故が起こる。
事故が起こると、その場所は改良される。
その繰り返しが、まるで都市を創るように何かを形成していってるように感じた。
私が写真を始めて、何かを統合しているような、拡散しているような感覚に毎日襲われ、取り留めのない感情が続くが、それが楽しいと感じた。
だから続けていこうと思う。

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